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SpirE-Journal 2014 Q3

(English) Robots : Changing industries, expanding possibilities

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ロボット産業変革と広がる可能性

ロボットは今や重工業のみならず、多くの産業で隆盛を見せている。現代のロボットは正確性が高く遠隔で操作することが可能。そのため、サービス産業の一部ではミスがつきものの人間よりも重宝されている。2013年には世界全体で17万9000台以上の産業ロボットが販売され 、今や「家庭」という新たな分野を征服する構えである。

ロボットとは?

「ロボット」という言葉を聞いたときにまず頭に浮かぶのは、ハリウッド映画の「スターウォーズ」や「ターミネーター」に登場するアンドロイドのような、人間に似たマシンである。しかし現実には、世界で稼働している何十万台という産業ロボットは、ハイテク ヒューマノイドというよりハイテク機械のような外見を持っている。

ロボットは、「電気・電子的、あるいは機械的ユニットを備えた、プログラム可能な自律した装置」と定義される。労働という面では、人間より優れた部分がいくつかある。物理的な耐久性に優れ、不快または危険な状況で活動するのに適しているのだ 。

「ロボット」という言葉は、「召使い」や「奴隷」「強制労働」を意味するチェコスロバキア語に由来し、1921年、劇作家カレル・チャペックの劇でそれらの意味にふさわしく使用された。しかし紀元前270年にはすでに、古代ギリシャの技術者 クテシビオスが器官や水時計から成る移動式の人型装置を扱っていた 。

ロボットの利点

ロボットは様々な産業において、あらゆる種類の仕事で人間をサポートしており、それぞれが特定の目的を果たしている。以下の産業では、ますますロボットが使われるようになっている。

工業生産

産業ロボットの市場は、5.2%という年間平均成長率で2020年までに410億米ドルに達すると予測されている 。産業ロボットは世界中で自動化において重要な役割を果たし、単純化された生産や組み立て作業のサポートを行なって いる。産業分野では、高速性や正確性、過酷な環境での動作など、ロボットに数多くの利点がある。また、人間を雇用するのに比べて費用対効果が大きくなることもある 。2014年時点で年間販売台数が16万2000という産業ロボットだが、その存在感はさらに増していく方向にある。

軍事

地雷地帯の行軍や爆弾の処理、敵が占拠している建物の通過など、兵士には 多くの危険な任務がある。この分野において、兵士の生命を守るための能力を司令部がロボットから得ることができる。例えば米国のイラクおよびアフガニスタンへの介入には、地上から空中にいたるまで2万5000台以上のロボットシステムが関わっていた 。

医療

2000年以降、世界で約3000台の手術ロボット「ダヴィンチ」が、200万回以上の手術を成功させている

医療科学の分野におけるロボットの貢献は非常に大きく、現在では診断や手術、健康管理などを担っている。また、患者の健康回復にも役に立っている 。2000年以降、世界で約3000台の手術ロボット「ダヴィンチ」が、200万回以上の手術を成功させている。 これらのロボットは設置スペースが非常に小さくて済み、その「手」は精度の高い動きが可能である 。.

農業

最も古く根本的な経済活動である農業でもまた、ロボットによって大きな変革が起きている。世界の人口は2050年に90億に達すると予測されており、 食料とバイオエネルギーの需要増大に対応するため、農業生産を倍加する必要がある 。農業活動におけるロボットの利用はすでに定着している。例えば、「Lettuce Bot Roomba」は除草に特化したマシン。自律走行のトラクターや、家畜の群れを集めたり殺虫剤を散布するドローンもある 。

宇宙

中国や米国、ヨーロッパ、日本、そしてインドまでもが探査機を太陽系およびその向こう側に送っており、深宇宙には今や多数の人工物が存在している。 宇宙産業はロボットの普及に非常に適しており、この分野のロボットは、危険な環境での広範で精細な繰り返し作業に秀でている。ロボットテクノロジーによって、例えば火星探査など、無人宇宙探査の新たなフロンティアが実現している 。

家庭に身近なロボット
家庭用ロボットに掃除やアイロンがけなどをやって欲しいと多くの人が望んでいる

2013年に実施された研究によれば、家庭でロボットを使いたいと思っている人は55%。掃除や アイロンがけなどを希望する人が多かった。ロボットに車を運転してもらいたいと思った人は15%で、子供の世話を想定している人が13%いた 。

「ルンバ」掃除機(2002年発売)は世界で200万台以上を販売

家庭用ロボットの主な領域は依然、掃除機と清掃である。「ルンバ」掃除機(2002年発売)は世界で200万台以上を売り上げている。

家庭での単純労働全般を容易にこなすことのできるロボットの開発は、さらに進んでいる。例えば東京の早稲田大学が2007年に披露した「Twendy-One」は、家事と介護をサポートする機能を備えており、改良型が2015年に発売予定 。

現在家庭で使用されているロボットのほとんどは小型で、以下のような限定された作業のみを行うことができる。

ハウスクリーニング

ロボット掃除機は多くの家庭に浸透している。iRobotは2013年に「Mirra 530」という新型を披露したが、これは水面および水中でプールの清掃を行うものである 。

セキュリティ

セキュリティ分野の家庭用ロボットには、標準でカメラやマイク、スピーカーが備わっている。これらのロボットは、家の安全が脅かされた場合にインターネット経由で家主に知らせることができる。例えば2008年に170米ドルで 売り出されたセキュリティロボットの「Rovio」は、ガードマンとしての機能を持つ。「Rovio」はまた、家庭用ロボットがいかに手の届きやすい価格となったかということも示した 。

エンターテイメント

エンターテイメント分野のロボットは感情を刺激する目的で使用されている 。例えば「Dream Cat Celeb」は、頭や胸、背中、尻尾などにタッチセンサーを 備えたロボペットであり、猫のあらゆる表情や声を真似する。2014年に発売され、価格は117米国ドル 。

高齢者ケア

ロボットにより、年のとり方にも変化が表れている。高齢者のために家事をこなすだけでなく、素晴らしい相棒となり、孤独と孤立という高齢者が直面する大きな課題克服の助けとなっているのである 。日本政府は2013年度予算において、特に高齢者向けに設計されたロボットの開発と推進に19億米ドルを計上した。65歳以上の日本人が2010~2025年の間に710万人増加すると予測される中、当該分野への関心は高まりつつある 。

なぜロボットか?

ロボットはなぜこれほどまでに広がり、役に立っているのか?

量産が容易

ロボットを構築するほうが、人を雇って訓練するよりも簡単である。International Federation of Roboticsは、2015~2017年のロボット導入が1年につき平均12%増えると見積もっている 。

少ないエネルギー消費

ロボットは、精密な動作が要求される手術や製造プラントでの自動車パーツ取り付けなどにおいては、人間よりも生産性や費用対効果が高く、ミスが少ない 。

年齢とは無縁

ロボットは、厄介な生物学的影響から自由でいられる。疾病とも無縁なため、汚染区域での救出作業などには理想的 。

宇宙旅行にも理想的

ロボットは深宇宙の探査にも理想的である。食料や空気、水、衛生などに余分なシステムを必要としないため、ミッションの負担を軽くし、損傷の可能性も低減できる 。

ロボットテクノロジーには高揚感がつきまとっているが、多くの人々はいまだ懐疑的であり、懸念を抱いている。ロボット利用に関するすべてがバラ色というわけではない。コスト高や、投資の回収が遅れる可能性もある。

さらに言えば、ロボットが経済的な意義を持つのは人件費が高い場合のみで、これは当然世界のどこでも当てはまるわけではない。2014年のある研究によれば、米国の製造業のうち41%が、高コストや最低必要条件のためにロボット導入を行わなかった。規模の小さな企業はさらにロボットの採用に消極的で、導入費用の高さや資金の不足が原因となっている 。

見通

ロボット産業には世界的に投資が流入する様相を呈しており、今後数年間で導入されるロボットの数は1年間に12%増大すると予測されている 。

ロボット需要が最も高いのは韓国と日本。およそ40%の産業ロボットが自動車分野で利用されており、当該分野のロボット密度(製造業人口1万人当たりのロボットの数)は5か国(日本、フランス、米国、イタリア、ドイツ)で1000台となっている 。

ロボットは引き続き、重作業から家事、軍事、医療、農業、高齢者向けまで幅広い産業において使用されている。

しかしながら、ロボット利用拡大の可能性が最も大きいのは家庭である。より多くの家事をこなすことによって、ロボットは人間、特に女性の時間を解放できる可能性があり、パートタイムやフルタイムの仕事に女性が戻ることによって経済成長の大きなエンジンとなるかもしれない。

ほとんどの人々はロボット利用について開かれた姿勢でいるが、懸念も依然としてある。人間の仕事が奪われる懸念は常に存在している。米国の製造業の35%が、 ロボットテクノロジーによって高スキルの仕事が新たに生み出されると考えている一方、28%は人間に置き換わると考えている 。多くの国で高齢化社会が予測される中、特に高齢層の仕事が奪われると見なされている可能性がある。

ロボットは経済的にも社会的にもはかりしれない可能性を持っている。しかし技術の形態としては、内燃機関や原子力、インターネットとまったく同じように社会的にも道徳的にも中立である。他のテクノロジーと同様、民間部門と協力し、良い面を最大化しつつ悪い面を最小化できるかどうかは、政策立案者や市民社会、そして一般大衆にかかっている。

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